学会長挨拶

第48回青森県理学療法士学会 学会長挨拶

学会テーマ「理学療法新時代~多様化する障害像に対する実践的な展開~」

学会長  工藤 寛教(青森保健生活協同組合 あおもり協立病院)

団塊の世代の方々が全て75歳となる2025年には、75歳以上の人口が全人口の約18%となり、2040年には65歳以上の人口が全人口の約35%となると推計されています。青森県においても、2021年度の高齢化率(総人口に占める65歳以上の割合)は33.95%となり、全40市町村で、高齢化率が前年よりも増加しています。そのような状況を間近に控えた状況で、理学療法を実施する対象者は全体的に高齢化しており、原疾患による障害や身体機能低下にとどまらず、低栄養、認知機能低下、日中活動性の低下など複合的な障害を呈しています。また、多くの併存疾患をもつ対象者も多く、障害像も多様化してきています。疾患そのものの知識も必要ですが、対象者の生活は病院内だけでは完結せず、次の院所への申し送りや情報共有、在宅生活で使用できる制度や関わる職種との連携が必要になると思います。そこで、本学会のテーマを「理学療法新時代 ~多様化する障害像に対する実践的な展開~」としました。理学療法士が力を発揮しうる場は病院や施設に限らず地域社会まで広範にわたるため、これまで積み重ねてきた知識や技術を発揮するとともに、専門職としてより一層の研鑽と時代を切り開いていく強い意思が必要であると考えました。年々複雑化する臨床像を目の前にして我々理学療法士はいかに考え、専門職としての役割を果たしていくべきかという課題に向き合うことが求められます。最新の情報や技術を取り入れ、自己の能力や知識を磨くことで、「新時代」の担い手としてさらなる活躍を期待します。本学会の講演や研修企画を通じて、最新の知見や明日からの臨床で使える知識や技術を身に付けていただけるよう準備していく予定です。さらに学会は、会員同士の連携と交流を図れる場でもあります。対面での交流を通じて、地域や職能の情報交換もできるように目指したいと考えております。

本学会を通じて、学びを深め、実践を通じた経験を共有し、理学療法士としての成長を遂げましょう。ご多忙中かと存じますが、ぜひご参加いただき、共に努力し、理学療法の未来に貢献するために、一緒に歩んでいきましょう。